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「そっか、変装か…。」
実際、俺と麻友が偶然会った時も変装をしていて帽子を取るまでは誰かなんかわからなかった
しばらく沈黙が続く。
今は街の音も、麻友の歩く音も、全部俺の鼓膜を揺らして記憶に残る。
でも嫌じゃない。
この時間、嫌いじゃない。
むしろ居心地がいい。そう感じてるのは俺だけ?
一緒に帰り初めて、もう数時間。緊張は全く解けない、こんな気持ち生まれて初めてだ。
「私、今日本当に良かったです。」
「え?」
「将慶君と一緒に帰れて。
久しぶりに普通の高校生になれた気がします。
あ、でもcenterにいても毎日楽しいですよ?でも、今はなんか、もっと違う楽しさっていうのかな?
ん~…。
なんだかわかんないけど、すっごく楽しかったです!ありがとうございます!」
ペコリと小さくお辞儀をすると、黒い綺麗な髪が揺れる。
麻友のどんな行動さえ愛しかった
「いや、ありがとなんて…俺の言葉だし…ホント…夢みたい。」
空を見れば綺麗な三日月が微笑みかけていた。
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