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―――――――
「また握手会、来てくださいね?」
気がついたら俺たちはホテルの前に着いていた。一気に身勝手な悲しさと寂しさが押し寄せる。
もっと話したい。
もっと見ていたい。
でもこれが運命であって、これが必然なわけであって…。
「うん。絶対行く。だから麻友も俺のこと覚えててね?」
「はい。もちろん!」
ホテルの照明が麻友の頬を照らしていた。近くにある噴水の水や南国にありそうな木など、全部麻友を引き立てるための物にしか見えない。
「それじゃ私はこの辺で…。」
「あ!待って!」
「?」
咄嗟に麻友を呼び止めていた。
聞きたいことは1つ。
後悔だけは…したくない…。
「無理かもしれないけど、
メール。してもいい?
絶対誰にも言わない。
麻友がめんどくさいって思ったんならメール返さなくてもいい、アドレス変えても教えなくてもいい、なんなら受信拒否にしたっていい。
だから…メールしてもいい?」
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