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「汗掻かないんだな……肌が冷たくて、気持ちイイ。掻き回されんの好き?」
――たかが二回のクセに。
そんなに誇らしげに言われても。
最低でも五回は負けさせなければ。
男の噴射の回数を数えながら。
亜里は自分の胸の膨らみを、両掌で持ち上げて、男の唇に寄せた。
両方の胸の中央を男に吸わせながら、亜里は幾度も男を煽り続ける。
「先輩は……この身体を抱いたの?」
「まさか。抱かせてなんてあげない」
「……抱かせ、ないでくれ……!」
「会社で、腹の底では先輩を嘲るの? 結構なイイ趣味してる」
朝、大学へ行く直前まで。
亜里は男から、全てを絞り取ることを愉しんだ。
亜里は基本、自らは動いていないように見せかける。
相手に誘わせるまで、受け身のフリをするだけだ。
だが。
男達に力を余らせる気など。
亜里には毛頭なかった。
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