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「お前本当に、なるんだな。なるっていうなら、俺らまた腹くくってお前についてく。MOONの人身御供なんてもう言わせねえ。」
人身御供…四人も自分のように苦しかったのだとマリアは初めて知った。
移籍の話などどこかに吹き飛んでいた。
みんなも育ったギルティーを離れたくないのだ。
「最初からこうなるってわかってたみたいだね。」
MIKUがしみじみ言うと、マリアはこの時だけはかつてのように元気に答えた。
「わかるわけないだろう。ただ…わからないと言えば、ZENNさんは最後までわからなかった。ああいう、予想もつかない人に、俺もならなきゃいけないんだろうね…」
みんなはそれ以上何もきかない。
マリアしか知らないZENNの姿は、永遠にマリアの胸の中に封印されるべきであるようだった。
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