第1話 俺にはお前を愛せない。

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俺が沈黙していると、奴は言った。 「あれ?おかしいなあ…先生って絶対、そっちだと思ったんだけど。」 そっち、って何だよ。 「僕と同じ匂いがするんだよね。…先生、ゲイでしょ。」 手嶋は笑った。 不敵な笑み、という奴だ。 「俺は…そんなんじゃねぇ。」 「ふうん?…まあ、気が変わったら、声をかけて下さいよ。僕、待ってますから。」 待ってますから、か。 見た目はクールそうだが、言葉には真剣さがあるな。 まあ、嫌いなタイプじゃないし、生徒じゃなかったら即OKなのだが。 …駄目だ。 奴は生徒だ。バレたらヤバイだろ。 それに、奴が本気なのかどうか…それが問題だ。 今時のガキって、何をしでかすか分かったもんじゃない。 俺がゲイだと認めた瞬間、言い触らされないとも限らないしな。
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