第2章

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「ホルモンうんま…。」 こってりミソ味が絡んだホルモンに食欲を沸かされ、ぼつぼつと残り物を食べていたらトイレを見に行った長山が帰ってきた。 「ほーじょー!ほーじょー!ほー……ホケキョ!」 「は?」 くだらない事言う長山を冷たい目で見ると自分で言った事に一人でうけた長山が、ウヒャヒャ…と俺にアホみたいな笑いかたをして見せる。 「やめろそのバカみたいな笑い方。」 その笑い方にあきれて「小山田は?」と聞けば、 「あいつ便器の上で寝つぶれてた。お前タクシー呼んでくれりゅ?俺、小山田を連れて帰るから。」 と、長山はジャンバーのポケットに両手を突っ込みやって来るなりそんなことを頼んできた。 「大丈夫か?なんならうちに連れて帰っていいけろ。」 そう気にして俺が聞けば、 「いや、よくよく考えてみたらおまぁも明日仕事だし、やっぱ今日泊まるの無しにすりゅ~。」 と返され、俺は「明日」という単語に酔いが少し覚めた感じがした。 「別にそれは問題ねぇよ。うちならすぐそこだし…。」 自分はまだこのほろ酔い気分をやめたくなくて、引き留めるつもりで宅飲みに誘えば「いいって。」とまた断られ、 「だいたいあんなデカイの(小山田)お前んちまでどうやって運ぶんだよ。俺ぁ運ぶのヤだかんな。 それにアイツ飲むと寝相悪くなるから一緒に寝るのも嫌だし。やっぱ今日はやめとくわ。ぶひゃ!」 何がおかしいのか長山はまた下品にぶひゃっ…と変な笑いかたをすると、俺の誘いを今度は手振りつきで断った。 それになんとなく寂しい気持ちになり「そうかぁ。」と俺が呟くと長山が一息入れて言った。 「俺も小山田も明日休みだしもう少しここで酔いさましてから帰るわ。 だから気にすんな。」 「気にはしねぇけど……」 それでも渋る俺に長山はやれやれと溜息をつくと、俺の肩にポン!と手を乗せニヤリと笑って。
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