第2章

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真夜中の公園は誰も居なくて土を蹴る俺の足音しかしない。 うすらぼやけた街灯の下をふらふらと歩いていると誰が捨てたのか空き缶が一つ、地面に転がっていた。 (ゴミはゴミ箱に捨てなきゃダメじゃないか……。モラルがなってねぇよな。 よし、俺がこのままゴミ箱まで蹴って捨ててやろ。) 俺はそれを思いつくとポケットに手を突っ込み、目の前の空き缶を蹴ってゴミ箱まで歩く事にした。 静かな公園でカンカン…と缶蹴りしながらたまに空振りもして。 そのうち煌々と明るい自販機の前まで蹴り運ぶと、自販機の横のデカイゴミ箱が設置してある場所に俺はようやく辿りついた。 蹴りまくった空き缶を捨てようと屈んで拾い上げたら、視界の隅にゆらりと動めく影が目に入り一瞬心臓が止まりそうになる。 なんだ?!と暗闇の中に目を凝らすとそこにモソモソと動く物体が居て。 (な…なんかいる……?!) ドキドキして身構え背後にヒヤリと感じ見たら、自販機の横の光が当たらない影にその物体はひっそりと座り影と同化していて。 それを見て俺は「ギャッ!」と悲鳴をあげた。
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