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「こらっ…惺…!」
至近距離にドキマギしてると惺は楽しそうに笑って。
「俺は格さんが欲しいなぁ~…」
と呟きながらゆっくりと瞼を落としていく。
「せっ…」
制する前に唇で蓋をされ、柔らかい温もりで止める言葉は封じ込められた。
「んっ……、ふっ……」
鼻から漏れる甘い呼吸を聞きがら、惺の挑戦的なキスに押されて堪えきれなくなる。
舌を絡めるたびに周囲に水音が響き、この流れでいくと風呂に入る前に寝室に直行しかねないと予想した俺は無理やり惺を引き離した。
「格さん……!」
押し返す力に反発して惺が『もっと……』ともどかしそうに甘えた目で舌先を伸ばしてくる姿がエロい……。
それに反応した下半身がじわりと熱を集めるのを感じて俺は惺を下に降ろした。
「先に風呂に入る。飯はそのあと。」
「俺はぁ?」
惺の質問に答えず風呂場に向かうと、
「ねぇ格さぁ~ん!俺はぁぁ?!」
と甘えが混じったヘタレ声が追っかけてきて。
(……そんな声で俺を誘うな……)
縋る声音に抗えそうにない欲求を揺さぶられ俺は後ろ髪を引かれた。
「一緒に、入るか?」
きっと顔が赤くなってるだろうなぁと自覚しながらそっと後ろを振り返ると、
「うん!」
と惺は嬉しそうに駆けてきて、俺の腕にまとわりついてきた。
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