第1章

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「今日ね、泡風呂の元買ってきたんだ。」 「あ、泡風呂?!」 「いつも行くドラッグストアで半額で売ってた!それ使おうよ♪ 疲労回復の効能もあるみたいだよ。 格さん、いつも残業でくたびれてるからさ。」 へへっと笑い慕ってくる仕草は忠犬みたいに無垢に見えるけど── 「……あとねピンク色の泡でムードも盛り上がるんだって容器に書いてあったよ!」 俺達しかいないのに惺は小声で囁いた。 誘うときは猫みたいにしなやかに微笑むからいつもそれに振り回される。 「惺……」 「なぁに?格さん♪」 (俺の方が年上なのにタジタジなのがかっこ悪いよな。) 「………湯はぬるめに……じゃないとのぼせる……」 情けないことにそれだけしか口にだせないでいたら、 「わかった。少し水足そうね~♪」 と惺が脱衣所の引き戸を開けて先に入って俺の手を取り中に招き入れた。 「早く!格さん、冷えた身体あっためよ。」 クスクス笑って俺のネクタイを外してくれる。 その流れにのってワイシャツのボタンにも手を掛けて。 低身長の惺が背伸びをすると視線の高さが少し上がって軽くキスをされた。
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