第1章

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「私は人の想いは凄いパワーがあるとつくづく思う。私の受け持つ小隊に私のことを『お姉様』と呼んで慕ってくれる隊員がいる。この小さな格好でもだ。マイクロン化した時はもちろん向こうの方が大きいわけだから、端から見たらおかしいだろう?何度か注意したのだが、彼女は決して変えなかった。それで私は背格好なんて気にせず、堂々と部下たちに誇れる『お姉様』でいようと決めたのだ。彼女の想いが私に大きな自信をくれた。正直、キースと付き合うとなったとき、嫌がるかと思ったのだ。けれど、彼女は私の気持ちも分かっていたから、素直に喜んでくれて、そして私のことを悲しませるようなことしたら容赦しないと啖呵切ってたな」  その時のネネの様子を思い出し、ナタリーは笑いを堪えている。 「私もそのネネさんの気持ち、わかるなぁ」 「クレアはネネのような立場か」 「もしカンナくんがエティアさんのこと泣かせるようなことしたら、私絶対にカンナくんのこと怒っちゃいますもん」  両手の拳を強く握り、クレアが気合いを入れるとナタリーが小さく「カンナも大変だな」と哀れみを込めて呟いた。
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