転校生

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 今この教室に空いてる席は一つしかない。  僕の隣だ。  クラスメートもそれに気づき、にわかにざわついた。  高貴な彼女がよりによって小村歩の隣に?  そんなことはあってはならない、という空気。  先生も青ざめ、「ええと……」と動揺を隠せない。 「先生! 席替えを希望します!」  男子の一人、愛護(あいご)くんが元気よく言った。  先生はハッとして、そして救われたような表情を見せた。 「そうね、せっかく新しい仲間が増えたんだからいい機会よね。  さすが愛護くん」
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