ゴキブリ

2/12
前へ
/406ページ
次へ
 給食の時間。  手を合わせて、いただきます、と挨拶する。  ふと、自分の味噌汁に黒い糸が浮いているのに気付いた。  髪の毛……?  指先でつまんで取り除こうとすると、味噌汁の中からそれが姿を現した。 「ひっ!?」  僕は情けない悲鳴をあげ、椅子ごと後ろへ倒れた。  髪の毛に見えたのは昆虫の長い触覚。  味噌汁に沈んでいたのは大きなクロゴキブリだった。
/406ページ

最初のコメントを投稿しよう!

919人が本棚に入れています
本棚に追加