919人が本棚に入れています
本棚に追加
無様に床に転がった僕を見て、どっ、と教室中がわいた。
何人かが僕の給食を覗き込み、プッと吹きだしたりゲラゲラ笑ったりしている。
「だ……だれが入れたの……?」
僕は涙声になった。
みんなは僕を無視して、笑いながら意味ありげな視線を交わし合う。
「おいおいゴキブリくん。
給食は残さず食べなきゃダメだぜ?」
愛護くんが茶化して言った。
『ゴキブリくん』というのは僕のあだ名だ。
「わ~、共食いだぁ~」
と囃(はや)し立てる女子たちに愛護くんは肩をすくめる。
「知らねぇの?
ゴキブリって共食いするんだぜ?」
最初のコメントを投稿しよう!