ゴキブリ

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 愛護くんの体は冗談みたく吹っ飛んで、後ろの机を巻き込んで転がった。  食べかけの給食が床に散乱する。  少女はくるりと体の向きを変え、僕の胸ぐらをつかみあげる。 「あなたも! 何で黙って従うの!?」  鋭い剣幕に気圧され、僕は身じろぎもできない。  雷に打たれたみたいだ。  そこで彼女はハッとして周囲を見た。  みんなは青ざめた顔で遠巻きに見つめている。 「あぁもうっ!」  彼女はヒステリックに叫んだ。 「今回こそお嬢さまキャラで通すつもりだったのにっ!」
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