ゴキブリ

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「ひめのん……」  後藤さんがおずおずと声をかける。 「や、やっぱりひめのんに清楚系設定なんて無謀だったんだよ……」 「さ、西園寺さん?」  ようやく先生が口を開いた。 「西園寺さん……どうしてこんな……」  頬に手をあてて困った顔をする。  ……いや、それは表面的なもので、目の奥ではハッキリと告げている。 『これはクラスの輪に入れるかどうかの最初の関門だよ?  きみはそんなに要領の悪い子じゃないでしょ?  賢いきみなら、こういうときの処世術くらいわかるよね?』
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