籠城

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「ま、待ってよ!」  後藤さんが懇願する。 「何を待つんだ!?  おまえに喰い殺されるのをか? あぁ!?」 「大声出さないで」  転入生は唇の前で人さし指を立てた。 「外のゾンビに気づかれる」 「バカ野郎!  今からこいつがゾンビになるんだぞ!」 「まだゾンビになるって決まったわけじゃ……」 「噛まれたならゾンビになるに決まってんだろ!  いいか?  その傷口からゾンビウィルスが体中に広がってんだよ。  ああそうだ、その包丁で腕を切り落としてみるか?  手遅れだとは思うが、もしかしたら間に合うかもしれねぇ」
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