籠城

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「ひめのん!  ひめのんまで私がゾンビになると思ってるの!?  ねぇ!?」 「お願い敬子、今は静かにして」  転入生は困った顔をした。 「腕のケガは大丈夫?」 「うん、平気……」 「人間食べたくなってない?」 「なってないよっ!」  大声で叫ぶ後藤さんに、愛護くんが怒鳴る。 「嘘つくなゾンビ女!  油断させてオレたちを喰う気だろ!」 「二人とも静かに」 「違う! 私はゾンビじゃない! ゾンビじゃない!」 「黙れゾンビ! 死ね! 腐って死ね!」 「ああもうっ!」  転入生は槍を床に置いた。
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