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「何か手術に関して、聞いておきたいことはあるか?」
「受けるとなると、いつ頃になるんだ?」
「受傷したのが八月一日。今はまだ、八日目だからな。早くて三週間後、九月の始め頃になるだろう」
「新学期早々か。夏休みの内にやるってわけにいかないのか?」
「この怪我はちょっと厄介でな。傷口からの出血が止まって、炎症も治まるまで手術ができない。
それに掛かる期間が、約一ヶ月なんだ」
「そっか。でも、なるべく早い時期に頼むよ」
「ああ、医者には俺の方から連絡しておくから心配すんな! 手術って言っても、メスで切り開くわけじゃない。内視鏡でやるから、傷も小さくて済むしな。
あっ、もしかしてお前ビビってたのか?」
「ちっ、ちげーよ! ホント、一言多いんだ。親父は!」
おそらく龍二は、光輝の不安に気付いていたのだろう。
だから敢えて、からかってみせたのだ。
もちろん、ムキになる息子の反応を楽しんでいたのは間違いないが。
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