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喫茶店へ一足先に着いていた咲は、いつものように右側奥のテーブル席に座り、アイスティーを飲んでいた。
「咲ちゃん。もしかして、光輝くんと待ち合わせなの?」
「うん。六時にね」
「えっ? まだ、五時半よ?」
「うん。少し早いけど、学校帰りにそのまま来ちゃったから」
「ふーん、それにしても二人、お似合いよねぇ。美男美女のカップルで」
「あのね、おばさん……。何度も言ってるけど私と光輝は付き合ってないの!」
実は、ここの奥さんは咲の母親の妹。
つまり、彼女の叔母なのだ。
「またまたぁ、そんな照れ隠し言っちゃって。光輝くん、目鼻立ちもしっかりしてるし、スポーツマンだし、格好いいじゃない」
「だから、違うんだって!」
やはり、彼女には何を言っても無駄らしい。
勝手な妄想が膨らんでしまっているようだ。
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