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「なんや、雨か」
「おはようございます」
「おはようさん。お前、ナースコール押さんかったみたいやけど、ちゃんと眠れたんか?」
「はい、一応」
──あんたの鼾で無理矢理起こされたとは言わないでおこう。
「そうか。オレは初日、痛すぎて座薬入れてもらわんと寝られんかった」
「マジっすか?」
「ああ。もうケツを見られる恥ずかしさより、あのズキンズキン響く痛みに耐えられなかったんや。っと、そろそろ朝飯の時間か」
相変わらず話を突然すり替える河野の言葉につられて、入口付近の壁へ掛けられた時計を見ると、既に午前八時半を回っていた。
昨日から何も食べていなかった光輝は、さすがに腹ペコだ。
今なら少しくらい不味いものでも、平気で食べられるだろう。
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