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更に右脚は、自分のものとは思えないほど痺れており、膝裏から足先にかけての鈍痛も辛い。
光輝は、視線を力なく正面へ戻した。
見上げた天井は、代わり映えのない純白。
思わず溜め息が溢れる。
それからしばらくして、ドアをノックする音と共に女性の澄んだ声が響いた。
先程彼を手術室へ連れて行った看護師が、様子を見に来たのだ。
「神山さん、手術お疲れ様でした。いくつか術後のチェックをしますね」
そう言って彼女はまず初めに、光輝の右足の親指を触った。
「感覚はありますか?」
「はい、大丈夫です」
項目が、いくつもあるのだろう。
看護師は、一つずつ今の状態をカルテに記入している。
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