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「あっ、そういう意味ね……」
早合点だと知った咲は、顔から火が出そうだった。
「自分の気持ちには、素直になった方が良いわよ。それじゃまだやることがあるから、部屋に戻るわね」
「やっぱり最近も仕事忙しいの?」
「九月に入るとどうしてもね。
それに、私のクラスは受験生だし。三者面談やら何やらで慌ただしいのよ」
実は奈津子は、都内で中学校の教師として働いている。
彼女は英語を教えているのだが、咲の記憶ではあまり母親が教師で得をしたことがない。
むしろ、試験の度に成績にいちゃもんを付けられていた。
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