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手術から約三ヶ月が過ぎた。
光輝は、先月無事に咲と同じ専門学校への進学が決定し、最近は午前中で授業も終わるため、高校から帰ると午後は接骨院で龍二の手伝いをしている。
もうすぐクリスマスということもあり、待合室にサンタとトナカイの置物を並べていると、不意に声を掛けられた。
「そういや、明日は咲ちゃんの誕生日なんだろ。プレゼントは買ったのか?」
「うん、もう用意してある」
「ほう……。せっかくのデートだ。いい加減告白くらいしろよ」
「うるせーな、親父には関係無いだろ!」
憎まれ口を叩く光輝の顔は、茹でタコのように真っ赤になっている。
「ったく、生意気な! 照れてんじゃねぇよ!」
そう言いながら叩かれた背中が、しばらく痛みを訴えていた。
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