15人が本棚に入れています
本棚に追加
「柔整はこれから大変だよ」
「えっ? どうしてですか?」
何か嫌なことでも思い出したのだろうか。
林は眉間にシワを寄せ、更に続けた。
「国家資格を持つ人間が次々と開業するからさ。今じゃ至る所に、接骨院や整骨院があるだろう?」
「確かに……。歯医者や美容院と同じように乱立してますね」
「そうなると、狭いエリアで患者の取り合いをしなきゃならない。僕の友人も開業したものの、設備に資金を掛けすぎて結局赤字で終わったんだ」
「開業資金ってどれくらい掛かるものなんすか?」
「規模にもよるけど、そこそこスタッフも雇うなら軽く一千万円は超えるね」
「一千万円!?」
あまりの高額に、光輝は思わず大声を出してしまった。
龍二もそれだけのお金をかけて開業したのだろうか。
自宅も兼ねている分、もっとかかっているのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!