哀れな蝶々

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「…よぉ、やっと来たか」 建物の壁に、寄り掛かり一言だけ言う彼 目線を私に見向きもせず、手に持っている スマホに、釘付けだった 私の黒く長いストレートの髪が、一瞬 スカートと一緒に、夏の風に吹かれ 揺らめく 私は今、彼に呼び出されて 屋上に来ていた 彼の名は【赤城祐夜】(あかぎ ゆうや) この魁星学園の、1年生だった そして私は、この学園に通う 2年の【 桜樹美優 】(さくらぎ みゆう) 私達は、サッカー部の いわゆる 先輩と後輩だった
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