哀れな蝶々

5/6
前へ
/6ページ
次へ
「しょうがないだろ、あっちの専務が」 「直々に話しが、あったんだから…」 「それに、将来的には美優が」 「会社を継いで、経営して行くんだぞ?」 そう言いながら、パパは新聞に目を落とし ゆっくりと指で、新聞紙を巡った 『い…嫌よ、まだ、私…恋愛していない!』 私は、大きな碧色の瞳に 涙を浮かべて 父に反抗した その強い瞳は 父を見ていた パパが、新聞紙の上の隙間から 私を、覗き込む様に見つめていた 「よし、分かった そこまで言うのなら…」 『 えっ?』 「 自分で、恋愛見つけてみろ?」 「その代わり、恋愛出来なかったら」 「見合いして貰うぞ!いいな!」 「【 期限は、半年後だ 】」 ……何て事が、あったのよ 私の父は、貿易会社の社長さんで 複数の会社を経営していたの __ だから、色々と人脈が広いらしい 恋愛ねぇ... 父に、強い発言を したものの… 私、恋愛に対して 全然、サッパリ…分からなかった 『…恋愛…恋愛…恋愛… 』 私は、ブツブツ言いながら 下を向いて 歩いていた こんな所に… 【恋愛】が、転がっている訳ないか…… ドン! 『 いッたぁーい…!?』 「 何だ…?」 私は、誰かにぶつかったみたいで 鼻を押さえながら、ぶつかった相手を見た そこに居たのは、同じサッカー部の後輩だった
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加