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「じゃあ、後はよろしく」
保健室まで案内してくれた燐は他に用事があるからとよろしくと言ってどっかに行ってしまった。
殴ってしまった先輩と放置されても、どうすればいいんだ。
とりあえずは氷で殴って腫れた処を冷やしておくか。
冷やすために適当に探していたら冷えピタがあったので貼っておこう。
さてと、まずは謝るべきか?まぁ流石に謝るか。
悪いのは神代先輩だけどな。
「んん゛ぅ?」
おっ?起きたか?
「いたたっ、えっと何があったんやっけ?」
「大丈夫ですか?神代先輩」
「えっと・・美人さんや!」
「また殴りましょうか?」
コイツ・・・懲りてねぇのか?
「さすがにまた痛いのは勘弁」
「ならいいです」
謝るタイミング逃したかも・・。
「そういや、よく保健室分かったなぁ」
「他に案内する人がいましたので」
俺がそう言うとそういえばと神代先輩は納得したように手を叩いた。
そういえばと何やらブツブツ言ってるが、俺としては早く案内してもらいたいんだけどな。
「美人さんと燐って知り合いなんやて?」
「美人さんなんて名前じゃないんで答えません」
美人さんと言われる事が気に食わなくて俺はぶっきらぼうに答える。
というより美人さんってなんだよ、そもそも美人じゃねぇし、そんな風に言われる程中性的なつもりもない。
誰かさんはちゃん付けしてるけどな、注意しても直さないからあきらめたけど。
「あぁ、すまんかった。確か柊 凌牙やったっけ?」
機嫌を悪くした俺に申し訳なさそうに笑いながら、拗ねるなとばかりに頭を撫で確認するように俺の名前を告げる。
頭を撫でるのは余計なので力強く手をはたき落としながら、俺はそうだと頷く。
っていうか髪を触んな、また殴りそうになったっての!
「もしかして頭触られるの嫌いなんか?」
「頭というより髪ですね、この色ですからね。昔から結構弄られましてね、触られると思わず殴りたくなるんです。今は我慢しましたけど」
俺の説明に《あぁ、だから・・》と会って早々殴られた理由を察したらしい。
俺の場合は髪だけど、普通は抱き着かれたら殴ると思うんだけどな。
「すまんかったな、知らんかったとはいえ嫌がるようなことして」
「いえこちらこそ、初対面で思いっきり殴ってすんませんでした」
お互いに非礼を詫びたところで、話は燐の話に流れていく。
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