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「燐は凌牙君が髪触られるの嫌いなん知ってんの?」
「えぇ、知ってますよ。ついでに触られたら反射的に殴るのも知ってます」
俺の答えにまたもやブツブツ唱え始める。
微かに聞こえてくる言葉から察すれば、どうやら燐に対して文句を言ってるらしい。
「あの…何かあったんですか?」
「んっ?あぁ、凌牙君と燐が知り合いなんやから燐に代わりに迎えに行って言うたらな、俺の好みやから会った方がいいって言われたからさ」
「あぁ…言ってましたよ、こうなると分かってたって」
「やっぱりか、後で燐に文句言わなあかんな」
燐と神代先輩のいざこざはそっちで処理してもらうとして、そろそろ案内して欲しいな…。
俺のそんな気持ちが顔に出てたのか、神代先輩は「スマン、スマン」とベッドから降りた。
「ちょっと遅うなったけど、校内案内するわ。今の時間なら人も少ないしちょうどえぇやろ」
確かに人が少ないのはありがたい、ただでさえ転校生は目立つ上に目立つ髪色もあるから、じろじろ見られるのは勘弁して欲しい。
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