本編

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「それならそれで先に部屋に行く言えばいいだろ」 「言ったら面白くないでしょ?」 そうだ、こいつはこういう奴だった。 自分が楽しむための努力は惜しまない奴だった。 たぶん俺が素に戻って文句を言うのも分かってたはずだ。 そして素の俺を見て神代先輩が驚くのを見たかったんだろう。 実際、神代先輩の方を見てニヤニヤしてやがる。 「燐にこんだけタメ口で文句を言える子初めて見たわ」 「まぁそこはねぇ、俺がいつも通りでいいって言ったし」 「なるほど。それよりもやなぁ!」 俺たちのやり取りに先輩は苦笑して、燐にさっきの事を怒り始めた。 本気で怒ってる風ではなさそうなのでとりあえずほっとくとして・・・ 燐との先ほどのやり取りを思い出す。 俺からしたらいつもの事だからあんまり違和感はないけど、ここでは珍しいことなのかもしれない。 気をつけた方がいいのかも、でも燐が敬語いやだって言ってたし・・・。 まぁ様子見だな。 「とりあえず報酬はクッキーで」 「分かった、型抜きはめんどいからアイスボックスでいいよな」 「うん、なんでもいいよ」 先輩の説教が終わったのかさらっと片づけの報酬ねだってくる。 まぁクッキーぐらいならいいけどな。
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