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いつのまにか雨はやんでいた。
「・・・傘要らなかったね。」
「・・・だね。」
ずっとずっと、仲良しでいられると思い込んでた。
この関係を壊したくないってどこかで歯止めをかけていたのかもしれない。
・・・それなら、私はずるい。
変わろうとも、しなかったのだから。
「・・・雫は、強いよね。」
「・・・え?」
当たり前のようにいう叶多に思わず聞き返す。
「俺だったら・・・泣いて終わっちゃうと思う。人のことなんて考えられないと思う。」
・・・違う。
・・・違うよ。
私だって結局は自分のことしか考えてないんだよ。
逃げてきただけなんだよ?
・・・なのに、なんでー・・・?
「諦めきれないって顔してる。」
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