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「・・・叶多。」
まるで、自分を嘲笑うかのように話をする叶多になんの声も出せない。
頭では、反論するだけ。
でも。
こんな風に頼ってる私にはそんな資格ないんじゃないかと思う。
「俺だったら、すぐに諦めちゃう・・・というか、諦めた。けど、雫は違うでしょ?」
・・・なんで。
叶多の言葉がこんなにも胸響くんだろう。
なんで、こんなにも体が軽くなったように感じるんだろう。
何も変わってない。
だけどー・・・。
「・・・雫は、変わろうとしたんじゃんか。」
そう言って、叶多は空を仰いだ。
不思議に思って、叶多の視界を追うと。
「・・・う、わ・・・。」
綺麗な、七色の虹が空に架かっていた。
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