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気づいたら走り出していた。
梨紅以上になんてなれなくても構わない。
・・・ううん、梨紅と比べるなんて間違ってるよね。
どんな形であれ、陵に大切に思ってもらいたいの。
・・・逃げたくない。
私がどれだけ頑張ったって、陵の梨紅のことが好きな気持ちが揺らぐことはないと思う。
だけど。
なにもしないなんて・・・惨めなことだけは、したくないからー・・・。
来た道を戻って、いつもの集合場所へ。
はやく、はやく、はやくー・・・。
「・・・りょ・・・ぉ?」
「・・・雫・・・。」
集合場所へあと少しのところ。
曲がり角で出会ったのは、今会いに行こうとしていた、陵だった。
そう。
涙を流した。
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