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自分を嘲笑うかのような声から、驚いた声に変わった。
・・・なぜなら。
私が、陵の唇を塞いだから。
「・・・な、に・・・やって。」
陵が目を見開く。
それを無視して、私は自分の唇を押し付け続けた。
「・・・ん、ちょ、し・・・。」
もう、言わせない。
陵が陵自身を否定する言葉なんて、これ以上言わせてたまるか。
これ以上は、ぜったいにー・・・!
「っは!」
お互いの息が苦しくなってきた頃にやっと唇を離す。
「・・・なに、してんだよ。」
「・・・許さないから。」
「・・・は?」
「陵がっ、陵自身を貶す言葉を言うなんて、絶対、絶対、許さないっから!」
「・・・雫。」
今の陵は、きっと私の気持ちは受け取ってくれないと思う。
・・・だから。
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