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【橋田side】
朝8時、いつもならHRを始める時間だが、今日は違う。
「抜き打ち持ち物検査とか、めんどくさー。」
「今日の朝、急に決まったらしいな。お前、変なもん持ってきてないか?引っかかるなよ?」
「大丈夫大丈夫。よっしーこそ大丈夫?」
「俺は誰かさんと違って学校にいらないものは持ってこないからな。」
「誰かさんって?」
「さぁ?」
ふっと馬鹿にしたように笑う。こいつ、けっこう顔が整ってるから様になるのがむかつくな。
そうこうしている間に先生がまわってきた。
「おらーカバンの中身全部出せー。」
「他に言い方無いんですか。明らかにめんどくさそうっすね。」
「黙れバカ田」
「え、何。バカ田って俺の事?橋田ですけど?」
「そういえばそんな名前だったような。1週間も再テスト受け続けている生徒の名前なんてなかなか覚えられなくてなぁ」
「くっ。言い返せねぇ!」
「おら、さっさと二人とも出せって。後にもまだいるから急げ。」
「へーい。」
ばらばらと机の上に荷物の中身を出していく。
「お前お菓子多過ぎだろ。」
「お菓子は俺の必需品。」
「対する水谷はスッキリしてるな。ん?これはコンタクトケースか?」
「あ、はい。普段はコンタクトなんで。」
「ふむ、カラコンじゃないな。ならよし。」
そこまで検査されるのか。細かいな。
というか、よっしーがコンタクトしてるなんて初知りなんだが!
「さて、バカ田。これはなんだ?」
「ゲーム機?」
「はい没収。放課後、生物準備室に来い。」
「え、ゲーム機ってだめなの!?嘘!!?返せ!!!ゲームは俺の体の一部だ!!!!」
「放課後に来たら返してやる。」
嘘だろ。
肩をポンっと叩かれる。振り返るとよっしーがとてもいい笑顔でどんまいと言ってきたんですが。どうしよう、とてもこの顔を殴りたい!
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