1―②,静寂の撫子

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あんなに騒がしくて“静寂の撫子”とはこれいかに。 ……ごめんな、鈴のこと助けてあげることが出来なかったよ。 そっと頭を撫でてやると、そのまま抱き上げる。 「学園めんどくせー」 サボるか。 いや、でも学園の方が近いな。 さっさと鈴を保健室に預けて教室行くか。 「まあ、鈴の場合は保健室っていうより託児所って感じだな」 「……ふーん、おにいちゃんそんなこと言うんだー」 ……え? 気を失ってないのか? 「鈴は16歳だって何回言えばわかるのかなー?」 「あ、いやこれには海よりも深い訳があってだな……」 「問答無用!天誅!!」 「だからナイフはよせって……ギャーッ」 「保健室に行くのはおにいちゃん一人で十分だよ!」 ……鈴も摩周もギリギリ遅刻せずに済んだらしい。 え?俺? 午前中いっぱい保健室で手当てを受けるはめになったけど何か? 悲しいかな、妹のせいで俺は保健室の常連なのだよ……。
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