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あんなに騒がしくて“静寂の撫子”とはこれいかに。
……ごめんな、鈴のこと助けてあげることが出来なかったよ。
そっと頭を撫でてやると、そのまま抱き上げる。
「学園めんどくせー」
サボるか。
いや、でも学園の方が近いな。
さっさと鈴を保健室に預けて教室行くか。
「まあ、鈴の場合は保健室っていうより託児所って感じだな」
「……ふーん、おにいちゃんそんなこと言うんだー」
……え?
気を失ってないのか?
「鈴は16歳だって何回言えばわかるのかなー?」
「あ、いやこれには海よりも深い訳があってだな……」
「問答無用!天誅!!」
「だからナイフはよせって……ギャーッ」
「保健室に行くのはおにいちゃん一人で十分だよ!」
……鈴も摩周もギリギリ遅刻せずに済んだらしい。
え?俺?
午前中いっぱい保健室で手当てを受けるはめになったけど何か?
悲しいかな、妹のせいで俺は保健室の常連なのだよ……。
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