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ある日突然、巨大な生物が生まれた。
その姿は東洋の龍に似て、その身体は横たえれば万里の長城もかくやとばかりに長く、その咆哮は天をも揺らし、大地をも動かした。そして、如何なるルビーよりも紅く輝く瞳は、見た者に狂気をもたらしたと言う。
大地に降り立った龍は、多くの神々・伝説上の幻獣・恐ろしき妖怪達を、洋の東西・時の古今を問わず、大量に、節操なく生み出した。
それら―後に魔物と呼ばれるモノたち―は人の世にも姿を現した。
その道の愛好家達は大いに盛り上がった。そして、やれ八咫鴉(ヤタガラス)だの、ティアマトだのと盛んに囃し立てた・・・奴らが人に襲い掛かって来るまでは。
各地で軍隊が慌ただしく出撃した。
しかし、彼らは無力だった。
なぜか、銃ではダメージを与えることが出来なかった。明らかに命中しているにも関わらず、だ。
戦車隊を投入した国もあった。
爆撃機で国土もろとも焼き払おうとした国もあった。
あろうことか、核兵器を使用した国まであった―。
―しかし、奴等は全くの無傷であった。
しかし、世界が絶望に包まれかけたある日のこと、人々の救いとなりうる出来事が起こった。
自暴自棄になったオバチャンが、竹箒でリトルデビルを滅多打ちにしたのだ。
―そう、魔物達への有効打は原始的な近接攻撃。鍛えられた者なら素手でも魔物を倒すことが可能だと判明したのだ。
人々はそこに微かな希望の光を見出だし、魔物討伐ギルドを組織した。
彼らは、魔物の瞳が母なる龍同様真紅に輝くことから、こう呼ばれる。
『レッドアイズ・ハンター』と。
これは、ギルドが誕生してから更に長い年月を経た、とある町に住む兄妹の物語である。
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