プロローグ

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 気がつくと、いつの間にか雪が少しずつ降り始めていた。  その雪は、少女の血で真っ赤に染まった手を静かに濡らしていった。  雪は静寂な夜の町に降り続き、町を冷たく、寒くしていった。  そして、少女の身も心も冷たく包み込んだ。  さらに雪が強くなり、凍えるような寒さの中で、一人の少女のすすり泣く声だけが、静かな町の闇の中へと響き、そして消えていったのだった━━━。
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