第2話 側小姓ってなんですか?

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 いや……当のレントには、いったい何になれと言われたのか、実は見当がつかずにいた。  彼は側小姓と言う言葉自体、初めて聞いたのだった。 「は? 側小姓? って、なんですか、それ」  ドングリまなこで聞き返すレントの胴を、王子の腕がぐいと抱いて引き寄せた。頬にかかる息が熱い。 「俺の寝所に侍れ、とでも言えばわかるのか?」    今度こそ、十分すぎるくらいに了解したレントは蒼白になった。  あまりのことに、一瞬、頭の中に霧がかかって、ぼんやりとしてしまう。  一刻も早く王子に近づきたかったのは確かだ。  だが、いきなり、寝所に侍れ、だと?   もちろん、これは、考え直せば、またとないチャンス到来ともいえる。  レントシエラが城に潜入した目的、地下牢の鍵探しも、王子の寝室にまで入れるとなれば、容易に果たせるに違いない。  しかし……しかし……!
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