第2話 側小姓ってなんですか?

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 いや、もしかしたら、これはただの冗談で、人の悪い王子が自分をからかって楽しんでいるだけなのかも?  だが、どう見ても王子の目つきは本気だ。だとしたら、ここはやっぱり、それをうまく利用すべきなのか?  目まぐるしく迷っているうちに、ふと一瞬、自分の置かれている状況を忘れてしまったようだ。  ハッと気づくと、けしからん王子に、こともあろうか、唇で唇を塞がれていた。 (なに───!)  「やめろお!!」  何も考える余裕もなく、咄嗟に王子の体を思いっきり突き飛ばしていた。  幼いころから様々な訓練を受けて、体も精神も鍛えて来たつもりだったし、それなりの覚悟を決めて城に潜入したはずのレントシエラだったが。   こんなとんでもない試練は、まったく予想していなかった。  動揺のあまり、我を失った。
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