第2話 側小姓ってなんですか?

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 やってしまった。  あろうことか、一番警戒させてはいけない相手の前で。  咄嗟とはいえ、隠しておくべき能力をあっさりと見せてしまったではないか。  レントはどうしようもない後悔に、もう立ち直れそうにない。   「お、お怪我はありませんか、王子様」  おろおろしながら、王子の前で縮こまっているばかり。 「あ……ああ、大丈夫だ」  王子は、なにやらまだぼんやりとした顔でレントを凝視している。  いきなり刺客に襲われたのだから無理もないだろうか。  それとも、レントの素早さに度肝を抜かれたか。  しかし、王子の命を奪おうとするなんて。いったい、誰の差し金なのだろう。 「驚いたな。お前、どこの村の者だ? いったいどこで武術を習った」  呆然と呟く王子の声に、レントは我に返る。 まずい。やはり、普通ではない敏捷さを怪しまれてしまったようだ。
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