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行為が終わるとコウは気怠そうにソファーに横たわる私に毛布をかけてくれた。
そして隣に座ったかと思うと髪を優しく撫でながら言った。
「どうしてコスプレに拘ってたの?」
それはもう私の中では終わっている事なのにコウは気にしていたみたいだ。
真上から私を見下ろすコウの顔はさっきまでの野獣のような怖さはなく、優しい瞳をしている。
そんなコウを見ていると気怠さも心地よく感じる。
「ドラキュラに襲われる小悪魔がやりたかったから」
「は?ドラキュラって…?」
コウは私の言葉が意外だったのか不思議そうに目を丸くした。
私はそんなコウの反応が逆に意外に感じた。
…驚く事ないのに、それにドラキュラが誰かなんて決まっているのに。
私はコウを指さしながら言った。
「コウだよ」
「なーんだ。そうだったのか俺てっきり練り歩きたいのかと思ってた」
練り歩きたい。
確かにここ数年は日本でもハロウィンに仮装して街に繰り出す人が多いのは知っているけど。
私はそんなのしなくていい。
「違うよ。コウと二人きりでハロウィンパーティーやりたかったの」
そう。コウと二人がいいんだ。
するとコウはようやく私の気持ちがわかったのか「ふふ」と微笑んだ。
「ふーん。じゃあやるか?パーティー」
「本当に?…うん!今からね」
その後、私達が深夜営業をしている店にコスプレ衣装を求めて駆け込んだのは言うまでもない。
Happy Halloween!!
★おしまい☆
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