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家に戻って1週間。
私達の生活はすっかり元に戻っていた。
あんなに思いをぶつけ合って分かりあえたんだから、もっとラブラブになってもいいかもしれないけど。
コウは相変わらず無愛想で意地悪で。
私をバカにして。
もう頭にきちゃう!
でもね…正直それも悪くないんだ。
だってコウの私に対する想いを知った今、これ以上求めるものはない。
コウが私を愛してくれている。
ベッドの中で優しく包み込んでくれる。
だから、まっいいかと思う。
それに無愛想じゃないコウって想像ができない。
幼い頃からアイツそうだったもんね。
「ただいま」
夕食後、リビングでテレビを見ているとコウの声が聞こえてきた。
私はコウが帰ってきたとわかると立ち上がり夕食の準備の為、キッチンへ向かう。
コウは毎日のように帰りが遅いけど、夕食だけは必ず家で食べている。
だからいつものように支度をしていると、コウがリビングに入ってくる姿が見えた。
「お帰り…ん?どうしたのそれ?」
私は支度の手を止めるとコウの前に立ち寄った。
目の前にいるコウは両手に一つずつ紙袋を持っていて。
いつもはスーツに鞄とシンプルなだけに違和感がある。
「お土産」
コウはそう言うとテーブルに紙袋を置いた。
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