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「すまん…。頭を冷やしたい…」
俺が教室から出ようとすると、
「先輩…なんで、あんなことしたんですか…？」
後ろから幸がおずおずと聞いてきた。
「少し、カッとなっただけだ…」
俺は、何事も無かったようにいって見せた。
…内心では、心臓をバクバク言わせながら。
そんな俺に幸は
「……に？」
ボソッと小さな声で言った。
「なんだ？」
俺が聞こえずに聞き返すと
「何でも…無いです…」
少し、悲しそうに言った。
もしも、ここで俺が本当のことを言ったら…どういう反応をしてたんだろうか…。
そう考えながら、俺は、教室を出た。
「先輩!!」
後ろから幸が叫ぶ声が聞こえたが、今度は、振り返らなかった。
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