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「―というわけで、俺は、いま先輩と顔を会わせるのは…」
「幸」
俺の説明の一番最後を先輩に遮られた。
「は、はいっ!!」
俺が焦って返事をする。
「次はお前だ。話をしてないで、さっさとやれ。」
隆先輩は、何事もなかったかのように言う。それにあわせるかのように俺も
「はい。」
と普通に返事をしてしまった。そのまま突っ立ってると
「おい、テスト受けないのか。」
「う、受けます!!」
俺が慌てて銃を受け取り、所定の位置へ走る。
「準備OK!!」
「試験番号62番!!管野 幸!」
「はいっ!!」
「発砲用意!」
俺が構える。それを確認してから、
「はじめ。」
先輩が、堂々とした口調で言う。それと同時に
バシュッバシュッ
俺が撃つ。弾は綺麗に的の真ん中を貫いた。先輩はそれを見て、
「あぁ。…悪くない。」
と言って、頷いた。
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