第二章

34/43
前へ
/405ページ
次へ
「意味わかってないでしょ。女の子にじゃないよ? 加賀見もそうだし……。よっぽどひ弱な男子じゃない限り、右京が力で勝てる人なんて限られてるんだから」 「だから! 何の話!? 男に押し倒されるなんてもっとありえない話だって! しかもなんで加賀見!?」  俺が必死に否定すると、左京は溜息をついた。  え、なんで溜息? 「加賀見は少なくとも、右京とセックスできるって言った。右京が思ってるより、右京は男にモテるんだってば」 「そんな経験ないですから!」 「……俺はあるよ。櫻野先輩以外にも、男の人に付き合おうって言われたこと」 「それは左京は性格が、」 「性格じゃないってば。セックスしたいって言われた。身体目当てだった。俺と右京は似てるんだよ? 俺がそうなんだから、右京がそうじゃないはずない」  左京は真剣で、俺がうんと言うまで放してくれなそうだ。
/405ページ

最初のコメントを投稿しよう!

844人が本棚に入れています
本棚に追加