第二章

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「加賀見?」 「ぷっ」  間を置いた後、加賀見は腹を抱えて笑いだした。 「さっ左京! まさか本気にしたなんて! ぎゃははは!」 「笑うなよ! 左京はお前と違って純粋なんだよ!」  息もできないくらいひぃひぃ言って笑う加賀見にイラついて、足を軽く蹴る。 「おっ! 痛てぇ!」 「俺と左京をからかった罰だ!」  こんなことだろうと思った!  左京が心配することなんて何もなかったのだ。だいたい、加賀見は超がつくほど女好きなんだから。 「からかってはいねぇよ。言ったことはほんとのことだし」 「は?」 「お前なら抱けるって。左京が真に受けるとは思わなかったけどな。俺が本気なのが伝わったんだろ」 「加賀──」  何を言われたのかわからなくて、聞き返そうとしたとき、屋上の扉が開いた。
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