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「櫻野、左京君と二人で話せるようにセッティングしてくれと君は言ったけど、それだけでいいのかい?」
「あぁ」
「左京君なら、わざわざ俺たちがそんなことしなくても、会いたいと言えば会ってくれたんじゃないのか?」
そうなのだ。
先輩がわざわざキューピットさんに依頼した理由。
先輩は昨日、左京を怖がらせないため、と言ったけれど、それだけで、わざわざ知らなくていい人間にまで言うだろうか。もしかしたら先輩はそういう事をオープンにしても平気な性格なのかもしれない。しかし、左京も関わることを、この先輩がそんな風に広めるとは思えないのだ。
「左京君を怖がらせたくなかったんだよ」
昨日と同じことを先輩は言った。
「左京が恐がるような奴だと思ってんですか?」
加賀見が先輩を睨みながら言った。
なんでいきなり喧嘩腰なんだよ……!?
「好きな奴を信じてない、いや、あんた左京のこと全くわかってないじゃないですか。あいつが、一度でも懐いた人間をそんな風に恐がるはずがない」
加賀見は左京のことを、もしかしたら俺が思っていたよりずっと、ちゃんとわかっているのかもしれない。
左京はまた告白されたからといって、それを気持ち悪いとか、恐いとか思うような人間じゃない。
「ごめん。嘘ついた」
加賀見の言葉を聞いた先輩が、自嘲するように微笑んで言った。
「左京君と仲がいい君らだから、知ってほしかった。僕が彼に告白すること」
「どういうことですか……?」
俺が言うと、櫻野先輩は俺の方を向いて答えた。
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