第二章

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「お前、ここにいろ」 「え、」  加賀見は屋上を降りていくキューピットさんを追いかけていった。屋上には、俺と櫻野先輩が残される。 「……葛城、僕のことなんか言ってた?」  櫻野先輩が困ったように笑いながら、俺に尋ねた。 「最近……いつもと様子が違うから……左京のこと以外にも何かあったんじゃないかって……心配してました……」  本人に言ってもいいものか迷ったが、どうせ俺の場合顔に出てしまうため、嘘をついてもしょうがないと思い、話してしまった。 「そうか。様子が違う……」  クスッと笑う。 「おかしいって言ったんだろ? 葛城は」 「あ、えっと……」 「いいんだ。自覚はしてるから」  そう言って、先輩は俺から視線を外して、晴れ渡った青空を見上げた。
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