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成仏…か。
私はシロを引き留めてしまっているかもしれない。
勝手かな。でも、もう一度シロに会いたい。謝らないといけない。そう思うととても忘れられない。
「ねえ、シロ。あの子はシロだったのかな。シロ、迷惑かな。」
不意に、誰かが窓を叩く音がした。
…え?ここ。3階だよね。
恐る恐る私はカーテンに手を掛ける。途中机に置いてあったハサミを右手にもちながら。
シャッと勢いよくカーテンを開けるとそこには、誰もいない…
次は。窓。ゆっくりとゆっくりと開けていく。
誰もいない…
「ふぅ。いるわけないよね。」
と、気を抜いて勢いよく窓を開けた瞬間。
黒い塊がもの凄い速さで私を横切っていった。
慌てて振り向くと、私のベッドの上に白いネコがいた。
「シロ…??」
違う。あり得ない。だってシロはもう死んでしまったじゃない。…ならやっぱり、、
「…ごめんね。シロ。私のせいで天国に行けなかったんだね。でも私、どうしても…どうしてもつ…伝えたかったことが…」
涙が溢れてきて上手く言葉が出ない。
シロはゆっくり顔を上げ、私を冷たい目で見つめ、口を開いた。
「小娘。私はシロではない。昼間も言わなかったかな。」
「あ…。シロじゃない…。」
私は、シロと他のネコとの見分けもつかないの??
その前に何でこのネコがいるの…??
「私はお前を導く為にここへやって来た。お前の心の願いを聴き受けた。」
ネコはそのままゆっくりと、立ち上がりニヤリと不敵に微笑んだ。
私は引き込まれるようにその瞳を見つめていた。
「まだ、分からないかな?お前がどうしても会いたいと望むシロの元へと導いてやると言っているんだよ。」
ーーこうして、私とシロによく似たネコは夜な夜なシロを探す旅に出ましたーー
続く…
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