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『宇宙には他の星があるって本当かな?』
『あるんだよ! そこにも俺らみたいな人が住んでんだ!』
そんな会話を交わしたのは何年も前のこと。
私達の住むこの星以外のものがあって、しかもそこに人が存在するなんて、あり得ないと思っていた。
だけど、夢物語なんかじゃなかった。
目の前にあるテレビからは、宇宙を映し出した映像が。
「ーーこれが、発見された56個目の地球と呼ばれる星です。政府は……」
淡々とした口調で告げるアナウンサーは、何の関心も持っていないのだろう。
台本通りに読まれる抑揚のない声が嫌で、私はテレビの電源を落とす。
「セラっ! おい! テレビ見ただろ!?」
……あー、厄介なのがやってきた。
バタンと乱暴に扉を開いて入ってきたのは、幼馴染でもあるケイトだ。
綺麗な赤い髪を取り乱しながら何の断りもなく部屋に入ってきて、私の手をグッと強く握ってくる。
「新しい星ーー地球が発見されたって、セラも見ただろ!?」
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